今年の春から、何かが違う。
ウグイスの鳴き声がほとんど聞こえない。
あの特徴的な囀りが、朝の静けさを破ることが少なくなった。
カブトムシも見かけることが少ない。
ひぐらしの鳴き声が薄れ、夏の終わりを告げる風物詩が消えつつある。
そして、タヌキさえも姿を消した。
一匹たりとも見かけない。
ここで何が起きているのか。。。
街の片隅に建設され始めた大型マンション。
その建設地で、森が伐採された。
木々が倒され、静寂が破られ、かつての緑豊かな風景は今や重機の騒音に支配されている。
自然が息を潜め、人間の欲望がその場を支配している。
誰もそれを止めようとはしない。
私はその光景を見ながら、焦りと共に思う。
私が今生活している環境が変わるのではないかと。
いや、もう変わり始めている。
自然が失われていく様子を目の当たりにしながら、私は自分がこの土地にいる理由を問い始めている。
ここはもう、かつての「居場所」ではなくなりつつあるのだ。
私たちは便利さや快適さを求めるあまり、何か大切なものを犠牲にしているのかもしれない。
木々が伐採される音は、ただの物理的な破壊音ではない。
それは、生態系の崩壊の音、そして私たちが自ら選んだ未来への警告のように響いてくる。
「何もかもが変わりつつある」。
そう感じるのは、私だけではないだろう。
私たちは気づかぬうちに、自然を追いやり、豊かな土地を荒廃させている。
そして、それに気づいた時には、もう取り返しがつかないのかもしれない。
このままでは、ウグイスもカブトムシも、ひぐらしもタヌキも、私たちの思い出の中にしか残らない存在となってしまうだろう。
私たちの生活の場も、今のままではなくなるかもしれない。それは時間の問題だ。
だが、ただ嘆いているだけでは何も変わらない。
私たちが選択できる道はまだあるはずだ。
この土地が完全に失われる前に、私たちはその価値を再認識し、守るための行動を起こさなければならない。
自然を守ることは、未来を守ることだ。
その未来を手にするために、今できることを考え、行動するべき時が来ている。
時間は残されていない。