西宮ケーソンの釣り禁止は、まるで長年の相棒を失ったような喪失感だ。
朝も早くから波打つ海面にルアーを投げ、時折感じる手元の震え、そして魚との駆け引き。
そんな日常が突然、禁じられるとは、、、
釣り場が消えた西宮には、もはや無料で竿を振れる場所は南芦屋浜しかなかった。
しかし、南芦屋浜も今や朝6時からではなく、8時からの開放。
つまり、最も釣果の高いと言われる朝マズメの時間帯に釣りができない。
釣り人にとっての早朝は、魚との真剣勝負が始まるゴールデンタイムだ。
それを奪われてしまえば、無課金勢にとっての選択肢はますます狭まる。
朝8時の開放時間じゃ、もう魚も腹を満たして、昼寝でもしている頃だろう。
残された釣り場が無いわけではないが、、、あまり好きな場所ではない。
釣り人のロマンと期待は、単に魚を釣る以上のものだ。
釣り場に行くという行為そのものが一種の儀式であり、その場が持つ雰囲気や環境が、釣り人の心を揺さぶる。
西宮ケーソンや南芦屋浜には、そうした「特別な何か」があった。
他の場所では味わえない。
無課金勢の私にとって、無料で楽しめる近場の釣り場はなくなってしまった。
最早、渡船で武庫川一文字に渡るしか無い。
釣りとは人生そのものだ。
常に思い通りにはいかないが、だからこそ一匹釣れた時の喜びは大きい。