糖尿病患者にとって、「おやつ」という言葉ほど忌まわしいものはない。
甘い誘惑は命取り。
けれど、どうしても何か食べたくなる瞬間が訪れる。
そんな時に耳にするのが「ハイカカオのチョコレートがいい」という甘美な噂。
カカオ70%、80%、いや90%以上。
糖分が少なく、ポリフェノールたっぷりで体にいい、なんて言葉が並ぶ。
医者も「食べてOKだ」と背中を押す。
しかし、一口かじってみれば現実が牙をむく。
甘さはどこにもなく、口の中にはビターすぎる苦味が広がる。
「これがチョコレート?」とさえ思う。
誰がこんなものを「おいしい」なんて言ったんだ?
それでも、血糖値との戦いを強いられた体は選択肢がない。
ハイカカオをかじりながら、かつての甘いミルクチョコレートの記憶がよぎる。
それはもう、手に届かない夢のようなものだ。
そして、ふと思う。
「こんな苦いものにこんな高い金を払う必要があるのか?」確かにハイカカオは健康にいいかもしれない。
けれど、その値段は財布に厳しすぎる。
毎日食べるようなものではないし、たまに手に取るだけでも痛い出費。
そうだ、結論は簡単だ。
ハイカカオだろうが何だろうが、食べないのが一番だ。
甘くないし、経済的にも負担が大きい。
何より、欲望に打ち勝つ強さこそが、本当に「甘美」なものなんだと気づく。
だから今日も、チョコレートを手に取り、棚に戻す。
そして心の中でつぶやく。
「こんなもの、俺には必要ない」
糖尿病という名の見えない敵との戦いは続くが、俺はその敵にひれ伏すつもりはない。
健康も財布も守るのは、自分自身の意志にかかっているんだから。
要点
・糖尿病患者にとっておやつは命取り。
・ハイカカオチョコレートは糖分が少なく健康に良いとされるが、味は苦く、値段も高い。
・結論として、ハイカカオでもおやつを食べないのが最善だと気づく。