薄暗い部屋に響くのは、キーボードを叩く音だけだ。
モニターに映し出される「要注意」の文字が、無情にも目に突き刺さる。
「収益に重大な影響が出ないよう、ads.txt ファイルの問題を修正してください。」
この表示は、Googleアドセンスに取り組むはてなブロガーにはお馴染みのものだった。
誰もがこの問題に頭を悩ませてきた。
ads.txtを修正することができず、やむなく見過ごしてきたのが日常だった。
しかし、今朝のことだった。
いつものように、気怠く「修正する」ボタンを押してみた。
予想外に、Googleの説明は驚くほどわかりやすかった。
はてなが対応していないことは知っているが、指示に従ってみた。
途端に突きつけられる「ads.txtをルートディレクトリに設置する」という不可解な要求。
ルートディレクトリ?私には意味のわからない言葉だ。
検索エンジンで調べてみる。
幾つものリンクを飛び越え、ついに辿り着いたのは「はてなブログ開発ブログ」だった。
2024年7月からads.txt対応との情報が記載されていた。
しかし、すべてのブログが対応しているわけではないという一文が、疑念を投げかける。
このブログは対応しているのか?闇は深まるばかりだ。
一縷の望みにかけて、指示通りの手順を踏んだ。
ads.txtの内容を指定の場所に配置し、確認を終えた。
あとは結果を待つのみ。
部屋の空気が重くなる。
モニター越しに感じるのは、無限のネットの荒野。
その荒野に、このads.txtがどのように響き渡るのか。
答えが返ってくるのは、しばらく経ってからだろう。
はてなブロガーとads.txtの戦いは、今始まったばかりだった。