俺と体重――70キロを切ったその理由
気がついたら、70キロの壁を下回っていた。
そんな日が来るとは思ってもいなかった。
高校時代以来のことだ。
あの頃は筋肉もあって、引き締まってた。
だけど、今の体重減少は違う理由だ――糖尿病。
これが、俺を変えた。
診断を受けたとき、医者の声は遠くに感じた。お前の体は限界だって言われたようなもんだ。
そりゃ、ショックだったさ。
でも、そこでくたばるわけにはいかない。
食事を変えるしかなかった。
量も、順番も。
野菜、タンパク質、そして炭水化物――この順番は鉄の掟
まずは野菜だ。
苦い緑の葉を先に食う。
これが体にとって最初の防壁になるらしい。
次に肉、魚、卵などのタンパク質を入れる。
燃料だ。
筋肉を守り、力をつける。
そして最後に炭水化物。
これが俺の弱点だ。
以前は飯を山ほど食ってたが、今はそうはいかない。
食べる量も決まってる。
満腹は禁物だ。
空腹感が消えたら、箸を置く。
最初はきつかった。
腹はまだいけると言ってたのに、頭が止めろと命令する。
だが今は、その声が当たり前になった。
腹がへっちゃらだと思うようになった。
それでも、昔の俺とは違う。
あの頃は腹筋が浮かび上がってたが、今の腹は丸くなってる。
筋肉の上に新たな脂肪の層ができた。
それが今の俺だ。
急激な変化には、理由がある
糖尿病と共に生きるってことは、食べるもの、生活のリズム、全てに注意を払うってことだ。
俺の体は、少しずつその影響を受けていく。
高校の頃のように無駄に食いまくることは、もうできない。
だが、それでいい。
今の俺には、あの頃にはなかった覚悟がある。
体重が減ったって、心は減っていない。
俺はまだ戦ってる。
糖尿病なんかに負ける気はない。
70キロを切ったのはただの数字だ。
問題はその裏にある。
俺は体と向き合い、戦ってる。
これが俺の生き方だ。
食べる順番、量、すべてが戦略だ。
誰にも見せるつもりはないが、俺は毎日その戦場に立ってる。
数字なんて気にするなと言いたいところだが、そうもいかない。
体重計に乗るたびに、現実が突きつけられる。
でも、それでいい。
俺はこの戦いを選んだんだ。